院内新聞「多歯言」<第32号>

院内新聞「多歯言」<第32号>

発行:医療法人社団慈篤会 平野歯科医院
発刊日:2012年11月8日
HP:http://www.hiranodental.com

歯周病の精密検査とメインテナンス

 歯周病の予防や治療を行う際には、まず歯肉の検査を行います。これは検査を行うことによって歯周組織(歯肉や歯を支える骨)の状況を把握し、治療計画を立案するためです。
また以前の検査結果を比較することによって治療効果を評価することもできます。つまり定期的な検査は歯周組織の過去、現在を知ることができ、未来を予測することもできるといえます。
さてこの歯周病の検査内容ですが、おもに歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)の深さ、検査時の出血の有無、歯の動揺度(揺れ具合)を調べます。人間の健康な歯周ポケットの深さは3ミリ以内で、これはご自宅でのブラッシングで清掃管理できる限界の深さです。またポケットを計測した時に、歯肉から出血がある場合にはその部位に炎症がおこっていることが分かります。
歯周病の検査を行ったことのある方は細かい数字と○あるいは△の付いたご自分の検査結果の記録を目にしたことがあると思いますが、検査時に歯周ポケットから出血が認められる場合には○で記録し、膿(うみ)が出てきた場合には△で記録します。○や△で記録された部位においては歯周病が活動期にあり病状が進行する恐れもあります。これらの結果を集約し記入したものが下表の歯周組織チャートになります。
4ミリ以上の数字が記録された場合は、先ほど述べたように歯ブラシが届かない深さのため細菌を除去することが難しく、測定数値が大きければ大きいほど歯周病が進行するリスクが高い環境にあるといえます。また、歯周病を急速に進行させることのある「力(歯ぎしりや咬む力)」の問題は歯の動揺度(揺れ具合)を診て調整が必要かどうか判断します。
歯を守るためには正確な検査を行うことで現在の状態を把握し、そして現状と過去とを比較し、そしてこれらをもとに正確な診断を行い、適切な処置をすることが長期的に口腔環境を安定させる大きな鍵となります。
リコール毎に繰り返し検査を行うことは、歯周病の状態、今後のリスク把握のためとても重要です。

K.A

口腔清掃器具 ~歯間ブラシ~

 歯間ブラシとは、ワイヤー(針金)に細かいナイロンの毛が付いた、歯と歯の間を掃除する器具で、I字型とL字型の2種類があり、いわゆる爪楊枝(つまようじ)とは形も使い方も異なります。歯間ブラシは歯と歯の間にすきまがある所、ブリッジの下のすきまを掃除する時に使用しましょう。
皆さんは、自分に合ったサイズの歯間ブラシを選んでいるでしょうか?歯間ブラシのサイズは毛の太さ(ブラシ部分の直径)で決められ、歯間ブラシをすきまに入れた時抵抗なく動かせるサイズが適合した大きさであり、当医院では4S~Lの10種類をご用意しています。小さすぎる歯間ブラシでは清掃効率が下がり、大きすぎる歯間ブラシを無理矢理入れると歯肉や歯を傷つけてしまうだけではなく、金属製のワイヤーが曲がってすぐに使えなくなってしまいます。ただし、すべてのすきまが同じ広さとは限りませんので、場所によってそのすきまに合った歯間ブラシを使って掃除しましょう。もし歯間ブラシのサイズが分からない場合にはスタッフに聞いて下さい。
そして歯間ブラシの使用法ですが、前歯に使う時は前後に出し入れするように数回こすりましょう。奥歯に使う時は横から入れ左右方向にこすりましょう。この時に1回こするだけでは歯垢をすべて除去する事は難しいので、必ず数回こすりましょう。
また歯間ブラシにも寿命があります。個人差もありますが、1~2週間が交換の目安です。歯ブラシと同じように毛が抜けてきたり、毛が短くなったり、弾力がなくなったら交換する時期がきたと判断してください。またブラシ(毛)に問題がなくワイヤーが曲がってしまった場合でも、正しく掃除することはできず歯肉や歯を傷つけてしまう危険性もありますので、交換する必要があります。歯間ブラシを正しく使用し口腔清掃を効果的に行いましょう。

 

昼間の食いしばり ~TCH~



 TCHとは「Tooth(歯) Contacting(当てる) Habit(癖)」、日本語では「歯列接触癖」と呼ばれ、上顎と下顎の歯を不必要に接触させる癖のことです。
上下の歯は何もしていない時は接触せずに数ミリ離れており、上下の歯が接触する時間の合計は、会話や食事をする時を含めても1日20分程度が正常だと言われています。
上下の歯の接触と言われると、グッと強い力での「咬みしめ」や「くいしばり」が思い浮かぶ方もいると思いますが、これらを行わなくても、不必要に上下の歯が接触していることにより、顎や首の周囲の筋肉が働き続け、さまざまな問題が起きてきます。例えば、1キロのダンベルを1時間持っていると、腕の筋肉が働き続け、筋肉が疲れます。これと同じ様に、顎の周りの筋肉が疲労することにより、疲労した筋肉やその周辺に問題が起きてくることがあります。
ただしTCHがあっても問題が起こらないことも多くあります。問題が起こらなければTCHはただの「癖」なので、特に気にする必要はありません。ただ、顎の疲労感や肩こりなどの症状にTCHが影響している可能性もありますので、まず日中に上下の歯を当てる癖がないかを確認してみましょう。TCHを意識していただくと、症状が改善してくるかもしれません。気になる方はスタッフまでご相談下さい。

Y.N

プラークと食べカス


1㎎に数億の細菌

 プラーク(歯垢:しこう)というと食べかすのように感じるかもしれませんが、実はただの食べ物のかすではありません。プラークは食べかすや汚れと細菌がまぜ合わさったもので、ネバネバと粘着性があり黄色身を帯びています。
そしてこのプラーク1mgの中にはじつに数億もの細菌が棲息しています。この細菌は食べかすと合わさることでそれを栄養源として増殖し、歯周病やムシ歯の原因となります。
このため、歯周病やムシ歯を予防するためには、プラークを除去することが重要なのです。ご自身による歯磨きによってある程度のプラークを取り除くことができますが、奥歯の周りや歯と歯の間、歯と歯肉の間などブラシでは届きにくい場所のプラークは、長期間付着し続けると歯石となりブラシでは取り除くことができなくなってしまいます。そうなる前に歯科医院で正しいブラッシング方法の指導を受け、日頃の歯磨きでのプラークがきちんと取り除けているかを定期検診でチェックしてもらうようにしましょう。

I.A

歯の移植

歯の移植をご存知ですか?歯の移植とは、日常使わない自分の親知らずなどを歯がなくなってしまった場所へ再度植えかえる治療法です。この治療で必要な条件は、移植に使われる歯の根が健全であること、移植する場所へ移植歯が正確におさまることなどで、移植が可能かどうかを事前に的確に診断することがとても重要となります。
歯の移植のメリットとしては、ご自身の歯を使うため移植後に拒否反応が少ないこと、人工物ではないため歯の本来の機能をはたすことが可能になることが挙げられ、現在咬み合わせに参加していない歯を、歯の喪失してしまった部位へ移植することによって再度咬み合わせを回復させることが最大のメリットといえます。ただし移植する歯はご自分の歯なので、セルフケアやリコールチェックもしっかりと行わないと移植後に再度ムシ歯や歯周病になってしまう場合もあります。まず現在ある歯を大事に管理し、いつまでも健康なお口の環境を維持しましょう。

Y.S

例)6歳臼歯(6番)を抜いて、親知らず(8番)を移植する場合

夏休みの思い出

小学校二年 S.A

ぼくは、夏休みにあわじしまと四国にかぞくでりょこうに行きました。りょこうに行く前に、はのきょうせいをあたらしくしてもらいました。先生にりょこうのことをはなしたら、行く前に「せっかくのりょこうだから、いたくならないようにしてあげるね。」と言ってくれました。
こうちけんの室戸というところで、ぼくはイルカといっしょにおよぎました。そこは、海をくぎってプールみたいにしてありました。お兄ちゃんとおねえちゃんもいっしょにおよぎました。ぼくたちがいっしょにあそんだイルカは、ゴンドウイルカのゴリくんでした。体はすこしザラザラしていました。海の中には、小さい魚もいっぱいいてきれいでした。ゴリくんは、ぼくたちの前をおよいで行ったり、ひれをつかんでおよいだり、せなかをつつかれたりして、いっぱいあそびました。もっともっとあそんでいたかったです。

S.A君

素敵なお話ありがとう

イルカの歯の数は種類によって異なり4本しかないイルカや、120本もあるイルカもいるそうです。
またイルカたちの歯は萌え代わることはないそうです。

人間の歯の数は乳歯が20本、永久歯が32本です。1本1本の歯を大事にしましょう。

これからも色々なお話聞かせて下さいね

院長
スタッフ一同

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