院内新聞「多歯言」<第08号>

院内新聞「多歯言」<第08号>

発行:医療法人社団慈篤会 平野歯科医院
発刊日:2000年11月8日

海外研修を終えて(アメリカ歯周病学会)

今回で何回目の海外研修になるでしょうか。この15年余り、より高度な技術、先進的知識を得んが為に、積極的に国内外の研修会に参加してきたように思います。
しかし、最近となっては、診療に対する熱意は変わらぬものの、研修そのものに対する熱意は、幾分変わってきたような気がします。それは、学ぶべき新しい内容が少なくなり、逆にその応用の仕方が研修会参加の目的になってきたからです。
今回のAAP(アメリカ歯周病学会)の学会は、2000年のミレニアムということもあり、非常に盛大に行われました。各国の著名な歯科医師の発表が数多くあり、自分としては、予防歯科中心に日常臨床を行っている中で、歯牙欠損部位への予防的介入方法(インプラント、骨再建)や残存歯における積極的再生(歯周組織再生)、長期的に経過良好な状態を維持するメインテナンス療法など、歯周治療を歯科の様々の分野の治療を絡めて行うという発表が多くあり、有意義なものでした。又、歯周病の捉え方が単独の疾患という見方から、全身的な要因による一つの病的な疾患であるというホリスティックな考え方に変わってきているように感じました。やはり、これからは、より詳細な診査診断とそれに対する明確な治療目的を設定し、それを解決すべき確実なステップをふまえた正確な診療計画の必要性を再認識しました。
【現在の予防歯科の臨床の流れ】
診査 診断 ← 本来の原因究明(全身疾患生活環境)

治療目的の設定 ← (問題点の明確化)

治療計画 ← (術後の長期安定を主眼とし評価)

予防管理 ← (個々の生活リズム)
毎回、何かと出張が多いため、その度に患者様やスタッフに多大な協力をしてもらい感謝しております。これからも平野歯科に来院される患者様に合う良質な治療とは何かを自覚し、自己研鐙していく所存です。
副院長  H.J

海外研修

おめでとうございます
高齢者良い歯のコンクール受賞

平野歯科医院に以前より通っていらっしゃる患者様が、高齢者歯のコンクールに出場し、見事大賞を取られました。そこで今回は、「歯と健康について」というテーマでお二方に作文を依頼し、書いていただきました。ご協力木当にありがとうございました。そしておめでとうございます。
朝夕めっきり寒を感じる季節となってきました。富士の頂には真っ白い積雪が乗っかっているではありませんか。少々早いような、それにしても高い山々には秋も存分に深まり、冬が足早に忍び寄っているのでしょうね。私のすんでいる地は、農村地帯で見渡す限り稲穂が黄金色に輝いて秋本番を迎えています。遙か彼方には左に箱根、右に丹沢、大山を両脇に携え、どっかりと富士山が腰を下ろし、さも日本の平和と、国民の健康を見守って下さるようです。
私も二度富士山に行って参りましたが、八合目の雲海を見たときは何もかも忘れてしまう程感無量でした。今回平野先生のご多忙中の所にもかかわらず、高齢者歯のコンクールに推薦いただき思っても見なかった大きな賞を頂き、有り難く厚く御礼申し上げます。私は東北の寒村で育ってきましたので、歯の健康法などは全く考えたこともなければ、今こうしてこのような賞など頂き、夢のようでなんと表現して良いか迷っています。小学校四年生まではランプでの生活でした。野菜が主で、終戦時まで肉の味は知りませんでした。魚は正月だけ、これが又うれしかったのです。今思えばよく頑張ってきたと思います。その頃までは、歯を磨いた事などありませんでした。終戦まで家の農作業を手伝い、時軍事工場で働き、終戦後は旧国鉄に奉職しました。退職後は専ら家庭菜園ですがすがしい空気をいっぱい吸い、自然の中でいい汗を流しています。良い歯を作るには、よく食べよく咬むことでしょうね。自分の歯は自分で守り、また規則正しい生活によって、健康でよい歯が自然と出来るのでしょう。
(平塚市寺田縄在住:K.M様)

最優秀賞受賞 K.M様
最優秀賞受賞 K.M様
(80才の部平塚地区代表)
(平塚・大磯・二宮)
優秀賞受賞 W.Y様
優秀賞受賞 W.Y様
(70才の部平塚地区代表)

タバコ

たばこは病気の原因の一っとされています。皆さんも新聞やテレビなどで、たばこが体にどのような悪影響を及ぼすのか、ご存じかと思います。口の中も決して例外ではありません。たとえば歯周病があげられます。ニコチンなどの、たばこに含まれる成一分により、歯肉の血行が悪くなり、体を守る細胞に、悪影響を与え、歯周病にかかりやすくなると言われています。また、治療を行ってもたばこを吸わない人と比べると、治癒しにくいと言われています。できれば、たばこは控えたいですね。
(歯科医師  O.T)

歯の具合が悪いとき、友人に何処か良い歯科医院はないかと相談したところ宮ノ前に平野歯科医院があると聞いたのが昭和60年頃のことです。早速訪れ治療を受けその後レントゲン写真を見ながら詳細な説明をして頂きました。止むを得ないときは別だが基本的に抜歯はしないとのことで大変良心的で信頼のおける先生だなと好感を持ちました。それ以来お世話になっています。要は先生の人柄と患者の信頼関係がこのような気持ちにさせたものと思います。私は日常歯の健康管理について次のようなことを励行しています。
1,歯がおかしいと思ったら直ちに先生に相談する。
2,朝起きて1回、朝食後1回、夜就寝前1回必ず歯磨きをします。昼食後は適宜。
3,半年に1回はリコールチェックを受けています。
(中郡二宮町在住  W.Y様)

歯間ブラシ

歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくく、歯ブラシだけでは汚れを落としきることが出来ません。汚れが残ってしまうと虫歯や歯周病の発生につながります。特に、歯の隙間が広い人や、ブリッジと歯肉の間などには歯間ブラシの使用が効果的です。
歯ブラシのみで清掃した場合の歯の間の汚れは約60%しか除去できませんが、歯間ブラシなどの歯間清掃用具を併用すると約95%まで除去率を上げることが出来ます。
ただし、歯肉が腫れていて痛みがある場合は、歯肉がある程度改善してから使用したり、歯の間の隙間が小さい場合にはフロスを使用する存ど、必ずしも、歯問ブラシを使った方が良いというわけではありません。自分の口の中の状態や清掃の目的にあわせてブラシの形、大きさ、毛の硬さ、柄の形、柄の長さなどを選んでみると良いと思います。
(歯科衛生士  I.K)

ホームジェル

皆さんはホームジェルをご存じですか?
歯を強くするフッ素と、抗菌作用のあるスズの働きを持ったフッ化第一スズを主成分とした薬剤です。ホームジェルを毎日使う事で、虫歯予防(フッ素とスズによって虫歯の原因菌の発育を抑え、虫歯になりにくい強い歯を作ります)歯肉炎・歯周病の予防(スズによって歯周病の原因菌の増加を抑え、歯肉の腫れ・出血を防ぎます)他にも知覚過敏の軽減、ロ臭防止の効果があります。
<使い方>
1.いつものように歯ブラシでしっかり磨きます。
2.歯ブラシに小豆粒大(子供はその半分)の量を付け、全ての歯にいきわたるように磨きます。
使用後はうがいをしないで、軽く唾を吐き出す程度にし、30分間は飲食しないようにしてください。毎日使用するとより効果的です。
(歯科衛生士 Y.M)

あとがき

「多歯言」第八号はいかがでしたか?
私たちは患者様の疑問を少しでも減らそう、必要な知識をできるだけ伝えたいと、そして、私たちスタッフと患者様との架け橋としてこの院内新聞を始めました。二十世紀もあと少しですが、来る世紀を私たちスタッフはがんばってこの新聞を大切に守っていきたいと思っております。今後とも宜しくお願いします。
第九号は平成十三年六月四日発刊の予定です。

〈編集委員〉

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