院内新聞「多歯言」<第11号>

院内新聞「多歯言」<第11号>

発行:医療法人社団慈篤会 平野歯科医院
発刊日:2002年6月4日

たんぽぽ園にいってきました

今年2月28日(木)に平塚市内にある保育園の歯科検診に行って来ました。園児は3才から6才までの30人弱でした。元気いっぱいな子供達で、お母様方も御一緒に行いました。
当日は検診だけでなく、手作り紙芝居をお見せしたり、お母様方も一緒に歯磨きの指導を行いました。
紙芝居はとても興味津々な子供達!!歯磨き指導では恥ずかしがってなかなかお口を開けられない子もいれば、「一人で歯磨きできるよー。」という子もいました。
ほとんどのご家庭で仕上げ磨きをしている様子で、色々な質問が飛び交い、お母様方の熱心さが伺えました。
歯並び、虫歯、舌小帯(舌裏のスジ)、上唇小帯(上唇裏のスジ)、舌癖などのチェックを中心に、わきあいあいと和んだ雰囲気の中で検診を終えました。
将来の健康なお口の環境作りのために、何でも良く噛んで食べるよう心がけましょう。
子供達には治療室と同じようにガムを配りました。
とても素直で明るい園児達に、私達もそのペワーを分けてもらった気がしてハツラツとした1日でした。子供達の成長を陰ながら応援しています。
(DH  S.M)

たんぽぽ園たんぽぽ園

口元に注目

口唇の周囲には「口輪筋」という筋肉があります。この口輪筋は主にお口を閉じるときに使う筋肉です。食事をしたり、話をしたり、笑ったりしたときに、人は皆口輪筋を使っているのです。
テレビを見ているときや本を読んでいるときなど意識していない時のお口はどんな状態ですか?お口はしっかり閉じていますか?それとも「ポカァ」と開いていますか?
もし後者の場合は危険信号かも知れません。口輪筋の平均値は約1.5~1.8kgと言われています。この値が低い方はお口を閉じたときに、上唇の水平ラインがへの字になっています。(口輪筋値が知りたい方はスタッフに声をかけて下さい。)
それでは、口輪筋を強くするためのトレーニング方法を紹介します。
〈準備する物〉
○ペットポトル(水:10CC)
○ボタン(2.5~2.6mmの平らな物)
○糸(身長に合わせた長さ)
まずポタンの穴に糸を通し、その糸を水の入ったペットポトルのふたの部分にくくりつけます。トレーニングの前に鼻呼吸ができることを確認して下さい。
《トレーニング法》
1.ポタンを歯と口唇め間に挟み口唇を閉じます。このとき奥歯はしっかり噛みます。床と口唇が平行になるように腰を少し前に倒します。
2.床の上にペットポトルを置き、床から10cm位引き上げて一分間保持します。これを7~10回繰り返します。
3.一週間続けてロ元がプルプルせずに保持できたら水を50cc増加して下さい。これを繰り返しながら400ccまで増加していきます。それを越えることが出来たら、時間を一分から二分へと長くしていきます。
このトレーニングによって出っ歯、開口、すきっ歯の改善が期待できます。トレーニングは毎日繰り返し行うことが大切です。ご自宅でも簡単に出来る方法なので是非おためし下さい。
(DH  K.Y)

ボタンをくわえる場所
ひも
ボタン

トレーニング前
トレーニング前1
トレーニング前2
トレーニング後
トレーニング後1
トレーニング後2

子供の歯周病予防

今回は歯肉について少し詳しくお話ししたいと思います。
では、歯肉とはどの部分を指すのでしょうか。鏡を見ながら唇を左右に引っ張って見て下さい。この時、唇の裏の粘膜に引っ張られず歯にぴったりとくっついて動かない部分を一般に歯肉と言います。歯肉は歯や歯の周りの骨と、沢山の線維の束によってぴったりとくっついているのです。そして、この線維の束は歯肉の健康を維持していくためにとても大切な役割を果たします。それは、炎症や外部からの刺激に対し、これらの線維がバリアーとなり深部へと拡大するのを防いでいるのです。そしてこの線維によってくっついている歯肉が多い程、一般にその働きも大きく強い醤肉であるといえます。歯肉の量はその人や歯の部位により様々ですが、強い歯肉の少ない場合の要因の一つは、永久歯の萌えてくる位置にあると言われています。
乳歯の真下からではなく、横から萌えてきてしまうと、強い歯肉が少なくなってしまい、将来的にこの部分は炎症、つまり歯周病に弱い歯肉になってしまいます。このような時、この歯が完全に萌えてしまう前に、周囲の歯肉を移植し、歯周病に強い歯肉をつくる治療法があります。
歯の萌え変わる時期にあるお子様をお持ちのお母様方は、永久歯の萌えてくる位置をよく見ていてあげて下さい。歯周病の予防はこの時期から始まっているのです。
(DH  I.K)

D(乳歯)の強い歯肉を→萌え変わりの引(永久歯)に移植

術前
術前
乳歯の強い歯肉を
術後
術後
萌え変わりの永久歯に移植

あなたは早食い?

普段あなたは、食べ物を良く噛まずに、飲み込んでしまう「早食い」になっていませんか?早食いとは、通常15分以内に食事を終えてしまう事です。近年この早食いの習慣が、肥満を招くと言われています。大抵私達は、満腹になるまで食べてしまいがちです。
満腹とは通常胃袋に食べ物がー杯に満たされることと、大脳の満腹中枢が刺激されることを言います。
食べ物が体内に入って吸収されると、血液中にブドウ糖が増えます。このブドウ糖が、満腹中枢を刺激しておなかが一杯になる仕組みになっており、それには食事を始めてから、およそ20分程度かかります。
早食いだと満腹中枢からのサインが届くまでに、沢山食べ過ぎてしまい、そのサインが出たときにはもうすでに腹十二分目となってしまっているのです。その状態が続くと、肥満を招く恐れがあります。良く噛むことによって、唾液が分泌されアミラーゼなどの消化酵素が胃の消化を助けます。さらに唾液が沢山出れば、口の中の清浄や虫歯予防にもつながっていくので、噛む回数を少しずつ増やしましょう。
そして、一ロにつき約50回は噛むように心がけましょう。
(DH  F.E)

予防室から
~ぺリオテスト~

予防室では虫歯予防や歯周病の検査などの為に色々な機器を使用しています。その中の一つにペリオテストがあります。名前を聞いただけではご存じ無い方でも、歯周病の詳しい検査の時に、歯をコッコツたたく機器と言うと「あーあれの事か」と思われる方も多いのではないでしょうか。歯に振動を与え、その数値により手で歯の動きを診ることができまたその測定値は同時に音声からも知る事ができます。
動揺度は-08~+09動揺は認められない。+10~+19触診して動揺が感じられる。+20~+29視覚的に動揺が認められる。+30~+50舌や口唇により歯が動揺するとなっています。
リコールチェックごとの測定により、前回と比較することができます。もし明らかな動揺が増加していた堤合、その歯に炎症または直常より強い力が加わっていることが解り、早期に対処できます。ただ、ベリオテストの辰動は患者様にとって不快に感じる事がまれにあるようなので、その時には担当衛生士にお申し出下さい。患者様の歯周組織の診査ならびに歯周病から歯を守っていくために必要ま検査ですので、これからも患者様に負担がかからないよう注意しながら続けていきたいと思います。
(DH  K.N)

あとがき

「多歯事」第十一号はこの間、歯科医療は多分努において日々進歩しておりテレピや新聞などを通じて目にされる方も多いのではないかと思います。そのよう情報を患者様に出来るだけ正しく、解りやすくお伝えすべく、これからもスタッフ一丸となってこの新聞の製作携わっていきたいと思っております。
第十二号は平成十四年十一月八日発刊の予定です。
いかがでしたか?早いものでこの新聞を創刊して丸五年がたとうとしております。

〈編集委員〉

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