院内新聞「多歯言」<第48号>
離乳食について
平野歯科医院では妊婦さんに離乳食の話をしています。
離乳食は生後6ヶ月頃から開始するものです。
歯が生えそろう前から行い、しっかりと飲み方・噛み方を覚える為の大切な食事です。
離乳食はおおよそ1歳6ヶ月頃に終わり、卒乳となります。
離乳食を始めるタイミングは以下の3点をチェックします。
①首が座っている。=物を飲む準備ができた
②寝返りができる。 =肩の力ができた
③パンダ座り(エンコ座り)ができる。5秒以上座れる。 =腰の力ができた
離乳食のあげ方にもポイントが有ります。以下に紹介します。
①離乳食+授乳の流れで行う。(次第に授乳は減っていく)
②スプーンは浅い物を使用。(徐々に深いものに)
③どんどん与えすぎない。(丸呑みにしない)
④真正面から入れ、舌の前3分の1に乗せる。(舌の力で喉まで送る練習になる)
⑤おかゆからはじめる。
そして、食べている時に口元が横一文字になっているかどうか観察します。また物を飲む為にやや前傾姿勢になっていることを確認します。離乳食を始め、だんだん慣れてくると全身の発達とともに、もぐもぐするステージから、噛むステージに移行します。
噛むステージは生後9ヶ月頃からです。そのタイミングはつかまり立ちをしているかどうか見ます。これはかかとまで全身の力ができたサインです。噛むステージでの離乳食のあげ方は少し変わっていきます。
8mmの立方体くらいのもの(煮たジャガイモ・タマネギ等)が望ましく、あまりに小さいと舌の力ができません。固茹でした卵黄も良いと言われています。ただハチミツは乳児ボツリヌスという病気を起こす可能性があるので、1歳をすぎるまでは与えない様にしてください。
卒乳(離乳食の終わり)のタイミングはしっかり仁王立ちができて、3ヶ月程たってからが望ましいと言われています。離乳食でしっかり飲み方、噛み方を覚え、舌の力をつけることは、身体的に健康を維持できる歯並びと噛み合わせを作る為にはとても大切です。
何か気になることがあれば歯科医師にご相談下さい。
歯科医師 H.T
リコールチェック(定期健診)について
新型コロナウイルス感染拡大で歯科医院の受診を控えた結果、「コロナムシ歯」が増加してきていると最近ニュースで話題となっています。定期的に健診を行なっているとそうなることを未然に防ぐことができるでしょう。
当院では前回の健診から今に至るまでのお身体の状態や生活環境に変化がないかを伺います。全身疾患(高血圧、糖尿病など)や服用しているお薬によっては口腔内に影響が出る場合があります。また生活環境が変わることで無意識に歯ぎしりをして歯がダメージを受けている場合があります。
口腔内の状態はレントゲン写真と照らし合わせながら定期的にチェックすることで、ムシ歯や歯周病のリスク、歯磨き・噛み方の癖などの口腔内の傾向が見えてきます。歯周病については、歯肉の状態を診て歯石取り、ブラッシング指導などを行っています。歯石はブラッシングでは取ることは出来ませんので歯科医師・歯科衛生士による清掃が必要になるのです。
ムシ歯については、初期段階のものであればフッ素を塗布することによって削らずに経過を見ることを勧めています。フッ素によってムシ歯に負けない歯を作りましょう。患者さん一人一人、口腔内の状態、全身の状態、食生活の傾向は違います。定期健診を受けることで、ご自身の口腔内の傾向を知ることが出来ます。私達も患者さんの様々な変化を知ることが出来ます。そうすることで口腔内の健康の維持につながるのです。コロナ禍であるからこそ定期健診を受けましょう!!
歯科衛生士 T.N
携帯型睡眠評価装置が導入されました
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS:オーサス)とは、睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなることで十分な睡眠を取ることが出来ず、日常生活に様々な障害を引きおこす疾患です。
この状態が続くと身体への負担にも繋がり、高血圧、不整脈、心臓病、脳血管障害、糖尿病などの合併症を引き起こす可能性があります。そこで、今回新しく平野歯科医院に導入された携帯型睡眠評価装置「アリスNight One」は自宅でも取扱い可能で、普段と同じように寝ている間にできる簡易検査です。
手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや無呼吸低呼吸指数(AHI)、無呼吸による酸素の低下状態から睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を調べたり、またスリープスプリント装着前と後のAHIの変化を診ることもできます。AHIとは、1時間に10秒以上の無呼吸・低呼吸が発生する回数を示すもので、AHIの回数で軽症、中等症、重症に分類されます。
軽症、中等症(5回≦AHI<30回)はスリープスプリントが有効とされています。スリープスプリント作製の場合、医科の睡眠外来を受診して「睡眠時無呼吸症候群」の診断書のある方は、保険治療が可能となりますが、それ以外のケースでは保険適用外となります。ご自身やご家族の方で、睡眠・いびきを気にされている方、簡易検査にご興味がある方がいましたら、スタッフまでお気軽にお尋ねください。
歯科医師 Y.D
唾液検査について
唾液とムシ歯には深い関係があるのはご存知ですか?食べかすがついたままだと口の中は酸性に傾きます。
酸性に傾くと歯が酸によって溶けやすくなります。ですが、唾液の働きによって中和され、中性に戻ります。この働きを唾液緩衝能といいます。間食が増えてしまったり、だらだら食べが続いてしまうと中和されない時間が続き、ムシ歯ができやすい口腔環境が長く続いてしまいます。
口の中には約500種類の菌がいます。その中で1割は有害な菌と言われています。特にムシ歯と深く関係している細菌がミュータンス菌とラクトバチラス菌です。唾液検査では唾液緩衝能、ミュータンス菌、ラクトバチラス菌の量を知ることができます。当院では就学時のお子さんを対象に唾液検査を実施しております。
小学校に通うようになると今までと生活環境が変わることがあります。就学時の口腔環境を把握しておくことでその人にあった今後の注意点をお話しすることができます。ご興味がありましたらスタッフにお声掛けください。
歯科衛生士 W.A
歯を削らず、キレイに!
皆さんは自由診療で行う歯の詰め物治療をご存知ですか?これは被せ物ではなく、多種類の樹脂を直接お口の中で盛り付けていき、本物の歯のような色、形に回復させる治療法です。
必要最小限の範囲のみを削って治療することが出来るため、歯を削る量が少なく歯に優しい治療です。また保険適用の材料に比べ、色や透明感の異なる多種類の材料を使用するため、自然な歯を再現することが出来ます。被せ物の治療より費用が抑えられ、短期間で治療を行えるメリットもあります。
・前歯が欠けてしまった、すきまが気になる
・以前治療した詰め物が変色してきた
・あまり自分の歯を削らずに見た目をきれいにしたい
この様な方におすすめです!
※強度や耐久性のことを考え大きな範囲の治療には適応できない場合があります。また、保険適用の材料より変色はしづらいですが、長期の使用で多少の変色が見られることありますのでリコールチェックが必要です。ご興味ありましたらお近くのスタッフまでお声がけ下さい。
歯科衛生士 N.A
術前
↓
術後
「日本臨床歯周病学会認定衛生士試験に合格しました」
成人の約8割は歯周病に罹患しているという現状の中で、1人でも多くの歯周病患者様を救いたいとの思いから、日本臨床歯周病学会認定衛生士試験を受け、無事に合格することが出来ました。
これからも患者様のお役に立てれる様、より一層精進していきたいと思います。
歯科衛生士 H.M