子供の歯周病予防
今回は歯肉について少し詳しくお話ししたいと思います。
では、歯肉とはどの部分を指すのでしょうか。鏡を見ながら唇を左右に引っ張って見て下さい。この時、唇の裏の粘膜に引っ張られず歯にぴったりとくっついて動かない部分を一般に歯肉と言います。歯肉は歯や歯の周りの骨と、沢山の線維の束によってぴったりとくっついているのです。そして、この線維の束は歯肉の健康を維持していくためにとても大切な役割を果たします。それは、炎症や外部からの刺激に対し、これらの線維がバリアーとなり深部へと拡大するのを防いでいるのです。そしてこの線維によってくっついている歯肉が多い程、一般にその働きも大きく強い醤肉であるといえます。歯肉の量はその人や歯の部位により様々ですが、強い歯肉の少ない場合の要因の一つは、永久歯の萌えてくる位置にあると言われています。
乳歯の真下からではなく、横から萌えてきてしまうと、強い歯肉が少なくなってしまい、将来的にこの部分は炎症、つまり歯周病に弱い歯肉になってしまいます。このような時、この歯が完全に萌えてしまう前に、周囲の歯肉を移植し、歯周病に強い歯肉をつくる治療法があります。
歯の萌え変わる時期にあるお子様をお持ちのお母様方は、永久歯の萌えてくる位置をよく見ていてあげて下さい。歯周病の予防はこの時期から始まっているのです。
(DH I.K)
D(乳歯)の強い歯肉を→萌え変わりの引(永久歯)に移植
術前
乳歯の強い歯肉を |
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術後
萌え変わりの永久歯に移植 |
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