歯ぎしりキリキリ
Dr.K.N
当院の患者さんに、『歯ぎしり』をしているか質問したところ、30人中27人が自覚していないと回答されました。キリキリ、ガリガリといった音が聞こえることが『歯ぎしり』と考えている方が多いためであると考えられます。しかし、あるデータによると、実に90%以上の方が『歯ぎしり』をしているようです。
『歯ぎしり』には、睡眠中に上下の歯をこすり合わせてキリキリ音を出す『グラインディング』、上下の歯を強く噛みしめる『クレンチング』、顎を上下に連続的にカチカチさせる『タッピング』があります。特に『クレンチング』は、何かに集中したり、考え事をしている時にもおきることがあります。『歯ぎしり』で歯に加わる力は食事をするときの2倍以上になるため、歯が割れる、すり減る、抜けるなどの症状を引き起こし、さらには、顎関節症を引き起こす原因となるケースもあります。原因は精神的ストレスや心因性因子、歯の噛み合わせの悪さなどが考えられています。
『歯ぎしり』を完全になくす方法はありません。一般的なストレス軽減療法や自己暗示法にある程度の効果があるようです。
睡眠時の『歯ぎしり』に効果があると考えられるものがナイトガードです。ナイトガードは歯型をとり、それに合わせてプラスチックやシリコンゴムで作るマウスピースのようなものです。単純に『歯ぎしり』のみに対処するものや顎関節症を併発している場合など、それぞれの用途に応じて固いもの、柔らかいものを使用します。異物ですから、装着感はあまりいいとはいえませんが、ナイトガードがなくては寝られない、肩こりがよくなっなどの評価も得られています。しかし、すべての人に効果が現れるものではなく、中には寝ている間に外してしまう方や、嘔吐感で入れられない方もいらっしゃいますが、個人的な見解としては非常に効果があると考えています。
もし、『歯ぎしり』で気になることがあれば、スタッフに相談してください。 |