子供たちの健康な歯並びを育成
最近、来院しているお子さんたちに歯並びの治療装置の入っている姿が多くなりました。それは、当院では小児の治療には、虫歯予防だけではなく噛み合わせの健康な育成が不可欠であると考えられるからです。
歯並びを悪くする理由には遺伝因子が影響しています。しかし原因はそればかりではありません。食事の軟化やパターン化された育児などによって引き起こされた口腔諸機能の低下、身体的変化また全身的疾患などの影響によって顎の未発達が引き起こされます。それによって歯と顎のサイズが合わなくなるために悪い歯ならびになってしまうのです。そういう子供たちが最近増加しています。
小児の歯ならびの治療にはいくつかの特徴があります。第一に、鼻疾患、舌小帯強直、そして口呼吸などの機能的影響がどの程度影響しているか診断する必要があります。ただ単に顎と歯のサイズのバランスを整えるだけでは解決できません。第二に、小児期は個体差が大きく、成長のパターンが様々考えられ、治療効果も大きいので、個人にぴったり合ったプランニングが必要になります。
第三に、子供たちは生活の中で様々なサインを発していますので見逃さないことです。第四に、小児に対する精神的な面への配慮も重要です。そのために治療の方法、時期(タイミング)、効率、そして器具の選択の重要性が要求されます。これらのことをしっかり診断し、治療し、長期間経過観察しなければなりません。
症例1
「咬合育成第2期治療」
反対咬合の治療ですが、約一年半の治療で噛み合わせは正常になり、姿勢も良くなり頬の膨らみも出て可愛くなりました。その後4年間経過観察しています。
症例2
「咬合育成第3期、4期治療」
顎が小さく、前歯が外・裏側から生えて歯並びが悪いということで来院しました。現在は期間中ですが、本人の希望通りに歯を抜かずに、しっかり噛める綺麗な永久歯列になりました。
もし、噛み合わせが悪いと、顎関節症や全身への悪影響を引き起こすこともあります。そのために、よい噛み合わせと歯周病に強い口腔の確立が重要なのです。それには、小児期の適切な診断とプランニングにより、永久歯を抜かずに奥歯の噛み合わせを作ることがとても有効です。子供たちには未来があります。親からの希望、期待そして夢もあります。これからも私たちは全力で努力し、協力していきます。子供たちが成人になってから感謝されるような健康な口腔を確立していきましょう。
副院長 H.J
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