院内新聞「多歯言」<第42号>

院内新聞「多歯言」<第42号>

シリーズ:噛み合わせ~受け口とは~

「受け口」は、反対咬合・下顎前突などと呼ばれることもあり、上下の噛み合わせが逆になってしまっている状態のことをいいます。
本来、上の前歯が下の前歯よりも前に出ているのが正しい噛み合わせだと言われています。「受け口」の場合その逆で、下の前歯が上の前歯よりも前に出てしまっています。
受け口になる原因には様々なものがあります。代表的なものは以下に挙げられます。

 1 遺伝によるもの

受け口の原因には遺伝によるものがあります。両親のどちらかが受け口の場合、その子どもも受け口になる可能性が高いと言われています。遺伝による受け口の場合、生まれつき上顎が小さい、歯の萌える方向が前方になっているなどの原因が考えられます。

 2 舌の習慣によるもの

舌で下の前歯を押す習慣のある人は、その習慣により下の前歯が前に押し出されて歯並びが悪くなる可能性があります。この習慣は「舌小帯」と呼ばれる舌の裏側の筋が短い人ほど付きやすいと言われています。舌小帯を伸ばすトレーニングをする必要があります。

 3 成長過程によるもの

上下の顎の成長に大きく差があり、下の顎の成長が大きい場合や、上の顎の発達が悪い場合など、成長過程により骨格のバランスが悪くなることも受け口の原因とされています。上顎は舌で押さえられることで発達していくため、舌の位置が正しくないと受け口になりやすいと言われています。
受け口の治療は5歳より前3歳頃の早期に治療が必要な場合など様々です。お子様の場合は成長発育段階によって歯を抜くなどの大きな処置をする必要なく治る場合がありますのでお気軽にスタッフにお尋ねください。

 

細菌検査について

皆さんは細菌検査をご存知でしょうか?細菌検査とは、患者様の口腔内から採取した検体(細菌)を用いて、検査部位における細菌の種類や数、比率を知る検査であり、その結果から歯科治療の処置方針を決める指標となります。

検体採取の方法は、口腔内の歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)に紙製のスティック(ペーパーポイント)を挿入し、これを分析会社に郵送し依頼するという簡便な方法で行なっています。またこれによる痛みなどの身体的な負担はほとんどありません。

なぜこのような検査を行うのでしょう。口腔内の歯周病原菌を把握することでより診断を確実にし、治療を円滑に進めることができます。そして、患者様自身に自分の歯周病のリスクを知っていただくことができます。

細菌検査は保険適応外となっていますが、以前導入していた検査と比較し、検査の精度が向上しかつ安価になったため、患者様への経済的なご負担も少なくなっております。

細菌検査はどの患者様にも適する検査ではありませんが、検査をすることで目に見えない細菌を見ることができ、歯周内科治療(抗菌薬を用いた歯周治療)を行う際にも役立ちます。ご不明な点がございましたら、スタッフまでご質問お待ちしております。

                                               M.K

 

挑戦!富士登山

7月16、17日に院長と衛生士、技工士合わせ5人で富士登山に挑戦してきました。七合目に宿を取り二日かけて無事に登頂しました。今回は天気が悪かったためご来光を拝むことは出来ませんでしたが、雨や寒さに耐えつつも心配していた高山病にもかからず、5人全員で山頂まで登ることが出来ました。

一生に一度は日本一高い富士山に登りたいという気持ちがあったので、達成感と嬉しさに満たされ感動しました。次はご来光を拝みに、また富士登山に挑戦したいと思っています。

 

院外ミーティングに参加して ~PLoS 3rd Anniversary Meeting~

去る9月10日、御茶ノ水で行われた、北大名誉教授 加藤熈先生の最新歯周基本治療セミナーに医院スタッフ20名で参加してきました。

歯周病とは、歯垢(プラーク)の中の細菌によって歯肉に炎症をひき起こし、やがては歯を支えている骨を溶かしていく病気のことで、進行すると歯を失う原因となります。

歯科医院というと、行きづらいイメージがあるかと思いますが、医師や衛生士による定期的なチェックで自身の歯の状態を知り、毎日の正しいブラッシングで健康な歯を守っていけるのだと学びました。

また、同日公演された名古谷明宏先生のお話は、症例を見ながらの解説でとても分かりやすく、歯を残す治療方針が平野治朗院長と似ていてとても興味深かったです。

今回の講演を聞き、改めて自分の歯で食事が出来る事が幸せな事だと感じました。スタッフ全員で歯科について勉強し知識を深め、日々の診療で皆様に役立てていくことが大切だと思っております。

       T.N

 

日本臨床歯周病学会第35回年次大会に参加して

6月23、24日に日本臨床歯周病学会年次大阪大会に参加してきました。

この学会は、日本を代表する著名な歯周治療の臨床医をはじめ、開業医、大学病院、総合病院の歯科医師など、4,242名の会員を擁し、研究発表や講演会などを開催しています。

今大会は大阪で行われ、関東支部代表として平野歯科医院からT先生が症例発表をしました。歯の再植と骨の再生を行った症例で、周りの先生からも高く評価されていました。T先生の情熱ある臨床が垣間見える平野歯科医院らしい発表でした。このような環境の下、働くことのできる私たちはとても幸せだと思います。勉強したことを患者様に還元できるよう努めていきたいと思います。

Y.N

始めませんか?歯の成長記録

平野歯科医院では、子供の歯の成長記録として「母歯手帳」というものを行っています。

この母歯手帳は、乳歯が萌え始めた頃から永久歯に萌え変わるまでの大切な時期の記録をとることによって、将来お子様の健康な咬み合せと全身のバランスを育成し、生涯にわたりお口全体の健康維持を目的としてつくられています。

定期的なリコールチェック時の記録をはじめ、年に一回お口の中と顔の写真を撮ったり、5歳・8歳・12歳(永久歯完成)時には歯の模型をとり、お口全体のレントゲンをとり(5歳はとりません)、舌の強さや幼児性えん下の有無、咬む強さなどを測定し、院長が診断をします。

そして、その子に合った時期や方法で、正常な咬み合せや咬合育成をしていくことで、将来の歯周疾患や顎関節症の予防にもつながると考えています。興味のある方やご希望の方は、スタッフまでお申し出ください。

A.N

 

 

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