院内新聞「多歯言」<第39号>

院内新聞「多歯言」<第39号>

2016年 春新聞

補綴物を選ぶにあたって

ムシ歯などで欠損した歯は、二度と再生はしません。失われた部分を金属やレジン(樹脂)、陶材などで詰めたり被せたりしますが、これを補綴物と言います。一口に補綴物と言っても、様々な種類があります。今回は、保険適用の補綴物と自由診療の補綴物がどう違うのか、簡単に説明させて頂きます。

まず、保険適用の補綴物は、主に金銀パラジウム合金という銀合金を使用しています。銀が約40%含まれており、アレルギーが出ることもあり、長期に口腔内にあると酸化・黒変します。基本的に前歯部・臼歯部全ての部位にこの金属を使用しますが、前歯部のみ審美性を考慮して、見える部分だけは白いレジンで覆います。このレジンはすり減りやすく、吸水性があって変色します。

次に、自由診療の補綴物は、生体親和性に優れた金合金や、審美性の高いレジン・陶材ジルコニアを臼歯部にも使用することができます。金合金はアレルギーがとても低く、軟らかいので使用しているうちに自然と口腔内になじんできます。陶材は、歯科材料の中で最も審美性が高いと言われています。天然歯特有の透明感が出て、何十年経っても変色せず、アレルギーもほとんどありません。基本的には金合金に陶材を焼き付けた補綴物が当院では多いのですが、全てを陶材で作るe.maxという補綴物もあります。金属アレルギーがある方や、審美性を特に気にされる方にはおすすめです。また、自由診療では、時間をかけてミクロン単位で適合したものを製作しているので、細菌の侵入が少なく長持ちします。

一概にどちらが優れているとは言えませんが、患者様と長いお付き合いを考えている平野歯科医院では、長期間使っていただける自由診療の補綴物をおすすめしています。

森 千絵

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ムシ歯になりやすいところ

ムシ歯は口の中にある※歯垢中の細菌が生み出す酸が原因です。歯が溶けていく

ことで穴が空き、痛みを引き起こします。そして、ムシ歯にも好発部位と呼ばれる、なりやすい場所が3つあります。

①臼歯部咬合面。歯と歯が噛み合う面の溝です。

②隣接面。歯と歯の間です。

③歯頚部。歯と歯肉の境目です。

これらは歯ブラシが届きにくい場所であり、歯並びや歯の形態などによっても歯ブラシの届きやすさは変わります。歯ブラシ1つで歯磨きをすることも大事ですが、どうしても磨けない場所には歯ブラシと補助器具を使うことでより歯垢を落としやすくなります。 ムシ歯を作らない為にも、患者様一人一人に合った歯磨きを提案することでムシ歯予防をしていきたいと考えています。歯ブラシの使い方などに疑問がございましたら、

歯科衛生士までお気軽に相談ください。

平野友紀枝

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清掃補助器具

~より良いプラークコントロールのために~

毎日歯磨きをしていても歯ブラシだけでは磨きにくい場所があります。まずはどこが磨きにくいか、意識して磨いてみましょう。効果的に歯垢を落とすには、補助器具の使用をお勧めすることもあります。

歯と歯の間はムシ歯になりやすく、歯肉の炎症が起きやすいところです。間が狭い場合、デンタルフロスや柄のついた糸ようじを通して、側面の歯垢を落とします。間が広い場合、歯間ブラシを入れて前後に動かして歯垢を落とします。そして、タフトブラシは通常の歯ブラシよりも頭が小ぶりな為、毛先が届きづらいところの歯垢を落としやすくなります。

磨き残しの多い場所としては、歯が重なり合っている部位、萌えたての歯の噛み合う面の溝、親知らずや、矯正装置、インプラント周囲、孤立している歯などがあります。歯磨きの際は、力の入れ過ぎに気をつけ、歯肉を傷つけないようにしましょう。補助用具の詳しい使い方、選び方(サイズ、硬さ)は歯科衛生士にご相談下さい。

加藤 則子

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FMD(フルマウスディスインフェクション)ってなんだろう?

FMD(フルマウスディスインフェクション)という歯周病の治療法があります。これは

進行した重度の歯周病で、通常通りの歯周病の治療をしてもあまり効果の得られなかった場合に行う治療法のひとつです。

FMDは抗生物質を服用し、その薬が効いている間に口腔内全体の歯石除去を行い、

歯周病原菌の除菌を行う方法です。歯周病は感染症ですから、短期間(1日もしくは数回)で一気に歯石除去をすることで、一時的に口腔内を無菌状態に近づけることができ、口腔内の細菌をリセットすることができます。短期間で行うことで歯周病原菌を他の歯に転移させないことから極めて高い治療効果がFMDでは得られます。

また歯周病と全身疾患との関連から、血流に乗って歯周病原菌が全身にまわることを考えても抗生物質の服用は有効です。

~歯周病でお悩みの方はご相談下さい~

阿竹幸子

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魚の歯が羨ましい?!

皆さんは歯が何度も萌えてきたら良いのに…と思ったことはありませんか?私たち人間の永久歯は一度抜けてしまうと二度と萌えてきません。一方、何度も歯が萌え変わる夢のような生き物もいます。それは魚類、特にサメです。種類により形や本数は多少異なりますが、どの種類も6~20列の歯が並び、獲物をとる時は前から2列の歯を使います。前列に萌えている歯が損傷してしまうと自然に抜け落ち、代わりに後ろの歯が前に移動し歯列ごと新しくなります。このようにしてサメは2~3日ごとに歯を交換し、一生涯で何千本もの歯を使うとされています。サメの歯が抜けやすい原因の一つは、人間の歯と違い歯根や歯を支える骨がないからです。そのためほとんどの獲物を咬み砕けず丸呑み状態なのです。人間の歯はサメとは違い何度も萌えてはきませんが、何でも咬むことができる素晴らしい歯です。一生美味しく食べる為に、

きちんと管理し大切な歯を守りましょう。

加藤 佐知子

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検査の重要性 ~デンタルX線写真14枚法について~

歯科治療での検査方法は様々ありますが、今回は全顎デンタルX線写真の重要性についてお話しします。

多くの患者様に用いられるパノラマX線写真は、口の中全体を一回の撮影で把握しやすいといった利点がある反面、画質ではデンタルX線写真に劣る欠点があります。そこで私たちは、必要に応じて全顎デンタルX線写真撮影を行います。

撮影したX線写真から診査している所は、①歯の長さ、形の異常②歯冠歯根の

バランス③ムシ歯・詰め物・被せ物の状態④根管治療の状態⑤歯石の有無⑥骨吸収の程度⑦骨の密度(骨梁)などです。適切に撮影されたデンタルX線写真には歯周病の重症度だけでなく、進行しているのか安定しているのか、どのような治療が必要かを判断する情報が詰まっています。

撮影枚数が多く決して楽な検査ではございませんが、正確な診査診断、良質な治療を提供する為におこなっておりますので、患者様のご理解ご協力の程よろしくお願い致します。

                             村尾 健斗

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~あとがき~

2階の待合室、画面のある治療室、4階の待合室に新しくモニターが設置してあります。

モニターには患者様にとって有益な歯科に関する情報が流れておりますので、待ち時間にご覧になってください。疑問などございましたらお気軽にスタッフまでお尋ね下さい。

そして、プラックアタッカーのSサイズよりヘッドがさらに小さいJSサイズが登場しました。夏が近づき暑くなってくるので、皆様体調管理に気をつけましょう。

最後に、1999年に始まった母歯手帳(歯の成長記録)も2016年5月についに700件を超えました。気になる方はお気軽にスタッフまでお声掛けください。

次回の新聞発行は2016年11月8日の発行予定です。お楽しみに。

            新聞委員 平野竜生 村尾健斗 鶴岡菜々 平野友紀枝

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