院内新聞「多歯言」<第35号>

院内新聞「多歯言」<第35号>

2014年春 新聞

楽しみな歯医者さん

M.S

去年のことです。
「歯が、いたいなあ。」 私は心の中でずっと思っていました。でも、鏡を見ても、お母さんに見てもらってもいつもと同じでした。それに、私は今まで一度も虫歯になったことがありません。
数日たっても、まだ歯の痛みは消えませんでした。そして、ある日眠れないくらい歯が痛くなりました。
次の日の朝、私は歯医者さんへ行き、歯を見てもらいました。結果は、むし歯ではなく、“中心結節”が折れて歯の神経が死んでしまう病気でした。
しかも私は、歯の中心が突起になっているのでより折れやすいということでした。むし歯ではなくて良かったと思いました。しかし、歯医者さんにこう言われました。「君は運が悪いねぇ。でもがんばればきっと治るはずだよ。」
私は初め、ドキッとしました。でも、きっと治ると言われて安心しました。
その日から、治療が始まりました。
まず、歯の神経が折れたところをレントゲンで撮り、頭がい骨もレントゲンで撮ります。そのレントゲン写真を見て、歯の状態を調べます。そこから、神経の折れた所を取り除きます。
でも神経の折れたところを取り除くのはすごく痛くて、泣きそうになりました。他にも神経の根を萌やすため
の薬を注射したりします。
その日から、私は毎週、歯医者さんに行き治療を続けました。治療は時間がかかるし、とても痛いのでだんだん行くのが嫌になりました。
でも歯医者さんがやさしく、声をかけながら治療をしてくれたので病院に行くのもだんだん楽しみになってきました。今でも毎回楽しみに通っています。

 

ムシ歯になりやすい食べ物

ムシ歯はどうしてできるのでしょう。ムシ歯菌は砂糖をもとに酸をつくります。この「ムシ歯菌が出す酸によって」ムシ歯はつくられます。つまり砂糖を多く含む食べ物はムシ歯になりやすいと言えます。ただし唾液(つば)にはムシ歯菌の産生した酸を中和し溶けかけた歯を修復する作用がありますので、すぐにムシ歯になるわけではありません。口腔乾燥症などにより唾液が出にくくなっている方はムシ歯になりやすいといわれています。

ムシ歯になりやすい習慣もありますので注意しましょう。アメを長時間なめ続けること、砂糖の入った飲み物を一日に何度も飲むこと、ダラダラと食べること、キャラメルなどネバネバして口の中にとどまりやすいものを頻繁に食べることはムシ歯菌にエサを与え続けることになりますので、ムシ歯になりやすくなります。

このような習慣はすぐに直すことは難しいですが、少しずつ変えることを心がけることからはじめてみてはいかがでしょうか。

 

 

神経の生きている歯、死んでしまった歯

 

歯の内部には歯髄(シズイ)と呼ばれる組織があります。歯髄には痛みを伝える神経が含まれるほか、無数の毛細血管が存在し歯に栄養や酸素を送っています。

歯髄はムシ歯の進行などによって細菌に感染すると、取り除かなければならなくなります。こうして歯髄を失ってしまった歯を失活歯といい、反対に歯髄のある歯は生活歯といいます。

歯髄を取ってしまうと、歯に栄養が送られなくなり、その結果、歯が次第に弱くなっていきます。歯は食事や食いしばり、歯ぎしりなどで力がかかっているため、歯髄を取って脆くなった歯は、どうしてもヒビが入ったり、破折したりする可能性が高くなってしまいます。

また歯髄を取ったからといって、ムシ歯にならないわけではありません。むしろ、痛みを感じなくなるので、知らないうちに大きなムシ歯となり、最悪の場合歯を抜かなくてはならないこともあります。

歯髄を取ってしまうと、その周りにある象牙質に血液が送られなくなるので、象牙質が変質し色が変わってしまいます。このため、歯の色も変わってしまい、前歯の場合はかなり目立ってしまいます。これらのことから失活歯には補綴処置(歯にかぶせ物をする)が必要になります。

歯髄を取ることは、歯にとって様々な影響があります。

歯髄を保存するためにも予防歯科に努めましょう。

A.R

歯並びに影響を与えること

”歯は一度萌えてきたらそこから動かない”、と思っている方は少なくないのではないでしょうか。実は歯は日々動いています。短い期間では動いたことに気づかず、長い時間経った時に”最近歯並びが悪くなった気がする”と気づきます。

では歯はどのような時に動くのでしょうか。歯は持続的な弱い力で動きます。その力は、100g以下といわれ、矯正で歯を動かすときこの力を利用しています。食事をする時、それ以上の力がかかりますが持続的ではないため、歯周病などではない健常者では歯が動くことはありません。

また矯正治療ではない場合にも歯に作用する力は存在し、それは舌や、頬、唇などが歯を表や裏から押すことにより生まれる力です。歯は舌が内側から押す力と、頬と唇が外側から押す力のバランスが取れる位置に並びます。そしてバランスが壊れるとき歯並びが異常となります。

バランスを壊す原因として、舌や唇、頬の力の強弱などが挙げられ、舌の力が強ければ歯は外側に倒れ、唇や頬の力が強ければ内側に倒れます。

実は力はまだ存在しています。それが「日常のくせ」です。弱い持続的な力のかかる悪癖があれば歯が動きます。その悪い癖として頬杖、横向き寝、うつぶせ寝、爪咬み、指しゃぶり、舌を押し出す、唇を咬む癖などが挙げられ、これらを行うことによってバランスを失い歯並びは乱れます。

歯並びが乱れると咬み合わせも変わってきます。日常の癖によって咬み合わせが良くなることはほとんどありません。無くて七癖といいますが、皆さんもこれを機に自分の癖を見つめ直してはいかがでしょうか。

Y.N

 

乳歯の咬み合わせ

永久歯の咬み合わせ

 

乳幼児のお子様がいる保護者の方から、歯並び(歯列しれつ)に関する不安の声を耳にする事は珍しい話でありません。乳歯列と永久歯列にはそれぞれ異なった特徴があり、例えば乳歯列の頃に歯と歯のあいだの隙間が大きくても異常ではないですし、永久歯に萌え代わった時に同じように隙間のある歯列になるとは限りません。むしろ前歯に関しては乳歯よりも永久歯のほうが大きな歯が萌えるので、乳歯列期に少し隙間のあるほうが永久歯が綺麗に並ぶこともあります。

逆に乳歯列で凸凹な歯列だからといって同じような凸凹の永久歯列になるということもありません。乳臼歯の萌え代わりである小臼歯は乳臼歯よりも若干小さいサイズであることが多く、顎の発育やその他の口腔周囲筋とも関連して、自然とお口の中でうまく調和のとれた歯列となることもあるのです。

ただし、乳歯列が永久歯列と全く無関係ということではありません。5番目の乳歯Eの咬合位置関係によってその後ろに萌える6歳臼歯の萌える位置に大きな影響があります。

不安や問題に早期から気づき、成長とともに向き合っていくことが不安の解消やスムーズな問題解決に結びつきますので定期的なリコールチェックをお勧めします。気になることがある方はぜひスタッフにご相談ください。

A.M

 

光をあてるのはなぜ??

ムシ歯の治療をした方は、青い光の出る機器を見たことがあるかもしれません。一体何をしているのだろうと気になったことはないでしょうか?

青い光を出す機器は、歯科重合用光照射器といいます。ムシ歯の治療で歯に詰める樹脂や接着剤に光をあてて、材料を固めるために使用しています。以前は紫外線で硬化させていましたが、今は青い色調の可視光線(人間が肉眼で感じることのできる光線)を使用しており、紫外線や赤外線をカットしていますので、歯や歯肉などに悪影響を及ぼすことはありません。ただしこの青い光を直視することは目に良くないため、ドクターやアシスタントはオレンジ色の

アイガードと呼ばれる板で目を保護して

います。とても眩しいのでこの光はなるべく

見ないようにしてください。

平野歯科医院では1か所につき5~20秒

で固まる光照射器を使用しています。

短い時間で固まるため、患者様の負担も

少なく効率よく治療ができます。

 

あとがき

多歯言35号は

いかがでしたか

日常生活が歯に与える影響の大きさが

わかっていただけたと思います

リコールチェック、

日常習慣に気をつけて

健康な日々を

おくりたいものですね

多歯言36号は

11月8日発行予定です

お楽しみに

新聞委員

 

ページトップへ