院内新聞「多歯言」<第27号>

院内新聞「多歯言」<第27号>

発行:医療法人社団慈篤会 平野歯科医院
発刊日:2010年6月4日
HP:http://www.hiranodental.com

入選おめでとう

今回ひらの歯科本院に通っている太田大海君が平塚市の「わたしの歯 コンクール」で入選しました。 おめでとうございます。
これからも歯の予防を頑張りましょう。

 

大好き、はいしゃさん

なでしこ小学校 二年  太田 大海

「めんどくさいなぁはみがき。」  ママは、朝もよるも、はみがきした?とききます。
ぼくは、しょうじき言うと、はみがきがすきではありません。
でも、はみがきが大切だってわかってるけど・・・。
ぼくがはいしゃさんと出会ったのは、一さいになる前です。
「上しん小たい」を切る手じゅつをしました。
これは、上のくちびると上のはがくっついているじょうたいで、そのままにしておくと、はならびがわるくなったり言ばがうまく話せなくなったりすることがあるので、はいしゃさんに、切ることをすすめられたそうです。
ぼくはおぼえていませんが、たくさんちが出て、いっぱいいっぱいないたそうです。
それからは、半年に一回、はいしゃさんに行って、口の中のチェックをしてもらっています。
ようちえんのころは、はいしゃさんに行くと、いつも 「はがきれいだね。ちゃんとみがけているね。 」 と言われていました。
じつは、生まれてすぐに、たまごとにゅうせい品のアレルギーだとわかり、お店に売っているおかしを食べていませんでした。
お友だちと同じおやつがたべたいなぁとかなしくなったこともあったけど、はいしゃさんに、ほめられたときに、あまいおかしがたべられなくても、少しはいいことがあるなぁと思いました。
さいきん、はいしゃさんでフッソの薬をぬってもらいました。
それはあじがえらべました。
「なんのあじにしようか?いちごとぶどうとオレンジとミントがあるよ。」と言ってくれました。
ぼくはいっぱい考えました。
すきなフルーツがたくさんで、うれしくなりました。
「オレンジにしようかな?ぶどうにしようかな?」と言うと、しかえいせいしさんが、 「全部で三回ぬるから、じゅん番にしたら。」と言ってくれました。
そのときは、ぶどうをえらびました。
こんどはオレンジあじにしようと思いました。
帰りにはいつも、 「がんばったからごほうびね。」と、ちいさなおもちゃか、おりがみをえらばせてくれます。
ぼくについて来ただけの弟も、ちゃっかりおもちゃをもらいます。
「がんばったのはぼくなのにずるいなぁ」と思います。
ちりょうになったらいやだけどぼくの口の中のけんこうをまもってくれるはいしゃさんは、大好きです。
ぼくは食べることが大好きなので、ずっときれいなはでいたいです。
そのためにも、めんどくさがらずはみがきをしようと思います。

外傷とその対応

萩原尚美

転倒、スポーツにおける激突・殴打、交通事故などで歯が破折(欠ける、折れる)や、脱臼(グラグラする、抜ける)してしまうことがあります。
そのときの対処法としては、破折、脱臼、歯肉や唇からの出血を認めた場合、すぐに歯科医院に電話して指示を仰ぎ、なるべく早く受診してください。
また、破折片、抜けた歯は必ず持ってきてください。
もし歯に土が付いている場合には、軽く水洗し、なるべく新鮮な牛乳又は生理食塩水に浸し、乾燥させないようにしてください。
これは歯に付いている歯根膜という大事な線維に傷を付けないためです。
30分以内に元の位置に戻して固定処置を行えば、予後も良い結果が得られています。
受傷状態によって処置は異なりますが、来院までの時間が処置や予後に大きく影響します。
下の症例のように外傷時、歯冠が半分に破折し、神経が出ていても、適切な対応を行えば、2年後も生活歯として保存することが出来ます。
受傷した歯は、数ヵ月後に変色したり、痛みが出ることもあるため定期的に診察し、経過観察を行う必要があります。

嚥下について

鈴木めぐみ

食物を飲み込む生理的反応を嚥下といいます。
中でも哺乳時の飲み込み方(哺乳反射)のように、嚥下時に舌を上下の歯の間に突き出し、前歯を押す飲み込み方を幼児性嚥下といいます(図1)。
離乳期を過ぎても舌運動が未熟なまま成長し、そのまま幼児性嚥下を続けると口唇や頬の筋肉が十分に付かないので歯列不正の原因になります。
順調に舌を運動させるために、離乳初期(5,6ヶ月)から口のサイズにあったスプーンで1口分の量をとることや、口の発達に合わせた食物を選択することを心がけましょう。
舌の上に食べ物をのせるときはなるべく舌の先のほうにのせてください。
また5歳くらいまでにストローではなくコップを使って飲む習慣を付けてください。
こうして舌を運動させることによって、正常嚥下(図2)を習得し、それを日常的に繰り返し行うことは将来的に嚥下機能の低下が引き起こす誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
正常嚥下とは口唇を閉じ、上下の歯をかみしめ、舌をしっかり上顎に押し付けて飲み込みます。

X線写真の種類と適応について

加藤則子

歯科医院で撮るX線写真は、診断や治療、経過を診るときに重要です。
治療に用いる主なものとしてデンタルX線写真とパノラマX線写真の2種類があり、目的により撮影方法が異なります。
デンタルX線写真は、患者様の口腔内に小型のフィルムを位置付けて撮影し、歯石の付着やムシ歯、歯周病の状態や治療中の歯の経過などの診断に用い、鮮明な画像が必要な時に撮影します。
パノラマX線写真はフィルムを口腔外に設定して撮影するもので上下の全ての歯だけでなく顎骨も一度に観察できるため、初診時やリコール時に撮影します。
定期的に撮影することで、病状(症状)の比較が出来ます。
また、矯正治療(咬合育成)の診断に用いるX線写真もあり、これにはセファロとPAの2種類があります。
セファロは頭部の横向きの写真で、頭を基準として上顎、下顎の骨のバランスや、歯の位置を知ることが出来ます。
PAは正面を向いた頭部の写真で、顎の左右の骨の歪みを確認することが出来ます。
このようにX線写真は適正な診断・治療を行う上で必要であり撮影方法も様々です。

歯周病と全身疾患

吉田里美

歯周病とは、歯の表面につく歯垢(細菌の塊)によって歯肉に炎症が起こり、腫れ、出血、歯を支えている骨が破壊されるといった「歯の周りの病気」です。
近年、この歯周病と全身疾患との関係が次々と明らかになりつつあり、その代表的なものとして、糖尿病、心臓疾患、誤嚥性肺炎、早産、低体重児などが挙げられます。
糖尿病になると、細菌の侵入に対抗する機能の低下や血管が弱くなるため、歯周病の発症や進行のリスクが高くなると考えられています。
また、歯周病の治療をすることで、糖尿病の症状が改善するという報告もされています。
歯周病が進むと歯周病原菌は血管の中に侵入します。
細菌の一部は白血球から逃れ、血小板に入り込み、互いに集まり血栓を作ります。
長年、歯周炎を放置すると細菌が入り込んだ血小板が体内で増加し、心臓にまで影響を与えます。
誤嚥性肺炎は、飲み込む機能が低下することで、本来食道に入るものが気管に入りやすくなり、肺炎を起こすことを言います。
治療されてない重度の歯周病や不衛生な口腔内のひとでは肺炎のリスクが高まることもあり、口腔内を衛生的にすることで肺炎の危険性を低減できます。
最後に早産と歯周病の関係です。
歯周病の人の体内では防御反応としてサイトカインという免疫物質が生成され、血液によって全身に運ばれます。
出産時には、プロスタグランジン(子宮に対して強い収縮作用)が出産を促しますが、サイトカインが同様の働きをしてしまい、出産のメカニズムを刺激し、早産につながると考えられます。
歯周病は自覚症状があまりないため、気付いた時には症状が進行し全身に悪影響を与えてしまうことがあります。
歯周病にならないために最も大切なことは、予防することです。
ホームケア、喫煙、ストレスをためない、アルコールを控える、定期的なリコールなどが大切です。
歯周病を予防することで身体の健康にも繋がるので、来院して頂く患者様の健康にも十分配慮していきたいと思っています。

CDC50周年記念講演会に参加して

安田直正 富樫裕一郎

2010年4月17,18日、平野治朗院長の所属しているCDCの講演会にひらの歯科医院スタッフ全員で参加してきました。
CDCとは3代目院長の平野美治先生が創設会員である、伝統のあるスタディーグループで、今回の講演会はその50周年を記念し開催されました。
「長期安定への道のりを探る」というテーマで行われた講演は、歯科臨床における重鎮がプレゼンテーションを行い、多くの知識と臨床におけるヒントを得、研鑽することができました。
17日にはCDC設立者の一人であり、世界的に著名なDr..Daryl Beachが、CDCの成り立ちや、これからの歯科医療についての講演をなされ、大変感銘を受けました。
なお、Dr.Beachは、ひらの歯科の礎となった「近代歯科医療の5つの目的」を提唱した先生でもあります。
また同日、平野治朗院長も、「世代を継ぐ臨床システムへの取り組み~予防歯科センター38年の軌跡と母歯手帳~」の演題で講演をおこないました。
その内容は、ひらの歯科が開業し131年が経過した歴史の中で、何世代にもわたる患者様とのお付き合いのなかで、予防歯科システムの重要性や夢、母歯手帳のありかたについての講演でした。
現在、院長も4代目になり、5代目も着々と育っております。
スタッフ一同、ひらの歯科の一員として、よりよい臨床を引き継いでいきたいと感じさせられました。

ひらの歯科医院患者様へ  4代目院長 平野治朗

今回、CDC50周年記念大会においてひらの歯科医院の予防歯科システムを紹介する機会を得、先代から脈々と流れるひらの歯科の患者様への思いを述べさせていただきました。
あらためて生涯にわたる予防を中心とした歯科医療のすばらしさを感じさせられました。
これからもスタッフ一同,患者様と信頼し合える診療体系を目指す所存です。

あとがき

あとがき 「多歯言」第二十七号は いかがでしたか? 今回の多歯言は、日頃患者様 から頂く質問についてまとめ ました。
また太田大海くんが 「わたしの歯コンクール」で 入選した作文も紹介させて いただきました。
今後も皆様に楽しんで読んで いただける新聞を作りたいと 思います。
次回の多歯言は 十一月八日発行の予定です。

新聞委員  安田直正 富樫裕一郎  安藤美紀 江本千春  滝史緒里

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