院内新聞「多歯言」<第23号>

院内新聞「多歯言」<第23号>

発行:医療法人社団慈篤会 平野歯科医院
発刊日:2009年1月27日
HP:http://www.hiranodental.com

赤ちゃんの歯磨き導入

DH 平野 めぐみ

お子様に歯が萌えてきました。初めての歯磨きです。いきなり歯ブラシをお口の中に入れたらビックリして嫌がるかもしれません。もしかしたら、入れさせてくれない子もいるでしょう。ではどのようにして歯磨きを始めたら良いでしょうか?それには歯が萌える前からスキンシップを図ることが大切です。歯が萌え始める頃、赤ちゃんは歯茎がムズムズするようになり自分の指や近くにある物を舐めたりしてお口を刺激し、それを認識しようとします。これは、唇やお口の中が体の中で最も敏感だからです。そしてこの時期にお口の中を触られることに慣れておく必要があり、お父さん、お母さんが赤ちゃんの歯茎に触ったり、お口の周りへ刺激を与えることで歯磨きの導入をスムーズに行うことができます。歯が萌え始める前の歯茎のケアは、ぬるま湯でぬらしたガーゼや指サックなどで歯茎を拭ってあげると良いでしょう。
初めて乳歯が萌えてきたらいよいよ歯磨きのスタートです。お父さん、お母さんがお子様の歯磨きをする時は、お口の中が見やすく、頭が固定されるよう正座をした膝の上にお子様を仰向けに寝かせて磨く「寝かせ磨き」が適しています。
生後6、7ヶ月頃、最初に萌えてくるのは下の前歯が多いですが、ここに付いたミルクなどは唾液によって洗い流されやすく、むし歯になりにくい所なので、すぐに歯ブラシでしっかり磨く必要はありません。この時期は、声掛けをしてあげ、コミュニケーションをとりながら歯磨きに慣れさせていきましょう。
次に生後一年頃には上の前歯が萌えてきますが、ここには汚れが残りやすいので、この時期までに歯ブラシの習慣を身に付けましょう。上唇の裏側のスジに歯ブラシが当たると痛みがでやすく、歯磨きを嫌いになる恐れがあるので、左手の人差し指をスジの上にのせ歯ブラシが当たらないようにし、軽い力で細かく動かして磨くと良いでしょう。

歯磨きは親と子のふれあいの場です。ゆっくり、あせらず、お父さん、お母さんの工夫で歯磨きの楽しさを教えてあげて下さい。

口臭

DH 江本 千春

口臭は、健康的な人にも存在するものですが、様々な病気の症状として現れることもあります。また、口臭を本人が自覚することは難しく、周囲の方が不快に感じる場合や、本人が自覚する口臭に対して悩む場合、口臭がないのにあるのではないかと悩む場合もあり、色々な角度から診断することが大切になります。
口臭の原因は主に「口腔内由来のガス」と「呼気由来のガス」に分けられ、原因のうち9割を占めるのは、口腔内由来の臭気ガスです。これは、口の中の細菌によって作り出されるもので、口腔内の環境が悪化することにより細菌が活性化し、口臭ガスを発生させます。そのうちの6割は舌由来の口臭であり、舌苔(ぜつたい、舌の白いコケ)から口臭の原因を細菌が産生します。これを防ぐためには、舌の後方部を舌ブラシなどで清掃すると効果的ですし、唾液分泌が低下する起床直後や就寝前に口臭を防ぐために、ブラシやデンタルフロスなどを使用してプラークの除去に努めましょう。またドライマウス(口腔乾燥症)のかたは、細菌が活性化しやすいため、こまめに水分補給を行い、人口唾液や洗口剤を併用すると効果的です。
呼気由来のガスとは内科的疾患や耳鼻科的疾患、思春期、妊娠時、更年期など血中ホルモンの変化や代謝などに由来するもので、関連各科での診断、原因疾患の治療により症状が改善します。
口臭のチェック方法としては、機械による口臭ガスの測定法や、第三者(歯科医)による官能的口臭測定法があります。後者は、口臭を訴える人の息を第三者の嗅覚により客観的に評価する方法です。この方法は、口を1分程度閉じてもらい、その後息を止めていただき口を大きく開け口腔内にたまったガスの臭気判定をするというものです。一定のレベルで存在する臭気に対して嗅覚は慣れてしまうため、自分の口臭を他人がどう感じているかを知ることは非常に難しいため、このような方法で判定します。

不安を抱えずに口臭の判定は第三者による客観的評価を依頼されることをお勧めします。

リコール ~定期健診~

DH 栗本 綾子

ひらの歯科ではよくリコールという言葉を耳にします。
リコールとは、「欠陥がある製品を回収して修理する」という意味もありますが、私たちは「維持・管理・保守」という考えで使用し、口の中の健康を維持するための継続的な管理(サポート)としてリコールのシステムを行っています。
リコールの間隔や、診療内容は一人ひとり口の中の状態などを考慮し決めていますが、永久歯が萌えそろうまでは3ヶ月ごとに行います。乳歯、萌え始めの永久歯は歯質が弱く、また永久歯への交換時期はブラッシングも難しくなるため、この時期は早期のむし歯発見、予防が大切になります。歯並びも成長とともに変化するため、定期的かつ長期に観察しなければなりません。
成人の場合、基本的に半年毎のリコールを行い、1本でも歯の喪失を防ぐため、主に歯周組織(骨や歯肉)の状態を検査します。歯周病は慢性疾患なので継続的な予防が必要で、リコールが大変重要になります。また、よい状態を継続するためには自己管理も必須となります。つまり、歯磨き等のホームケアと、リコールをはじめとする歯科医院でのプロッフェッショナルケアの双方を実践することが、健康にかむための鍵となります。

このような考えのもと、リコールを通じて私たちは健康のサポートを行いたいと思っています。

骨粗鬆症のお薬

Dr 富樫 裕一郎

「お薬を飲んだ事はありますか」、と聞かれたらほとんどの方が「はい」と答えると思います。歯医者では痛み止め、抗生物質などをお出ししますし、風邪薬、血圧を下げる薬、皮膚の塗り薬など様々な種類のお薬があります。
今回取り上げるのは骨粗鬆症のお薬です。
骨粗鬆症などのお薬(ビスフォスフォネート系薬剤)の投与を受けた患者様において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎が発現したと報告されています。
このお薬には注射剤と経口剤があり、顎骨壊死・顎骨骨髄炎は注射剤で多く報告されていますが、まれに骨粗鬆症患者などに投与される経口剤でも報告されています。
報告された症例の多くは、抜歯などの侵襲的歯科処置や局所感染に関連して発現しており、抜歯した場合にはその部位付近に発現しています。

患者様へのお願い

・ 骨粗鬆症のお薬を服用されている場合、事前に申し出て下さい。
・ 顎のしびれ・痛み・腫れなどの症状がある場合は、状態に応じて休薬も含め今後の治療方針を考慮する必要がありますので申し出て下さい。
・ 異常がある場合には、直ちに歯科を受診するようにして下さい。
・ 感染リスクを低下させるために丁寧にブラッシングし、うがい薬を併用するなどして口腔内を清潔に保つようにして下さい。
・ 質問があればお気軽に御尋ねください。

この他のお薬にも歯科処置を行う際に関係するものがありますから、医科から処方されているお薬や薬局で購入する薬を服用している場合、また新たに服用するようになった場合には当院スタッフにおっしゃってください。

子供のおやつ

DA 伊波 藍子

子供はおやつが大好きです。おやつというと甘いお菓子がすぐに思い浮かびますが、本来は補食として1日の食事では取りきれない栄養を補うためのものです。ですから、食事との栄養バランスを考えて子供におやつを与えたいものです。
しかし子供におやつを与えるとなると心配になるのがむし歯です。そこで、おやつを選ぶ上でむし歯を防ぐ助けになるポイントがあります。
キーワードは「唾液」と「よく噛む事」で、この2つはそれぞれ別個のものではなく連動しているものです。ヒトの唾液には歯を細菌から守る抗菌作用や石灰化の働きがあるので、唾液を出す事はむし歯予防に繋がります。その唾液の分泌を促す方法がよく噛んで食べるという事なのです。さらによく噛んで食べる事はアゴの発育も助け、口の周りの筋肉を鍛える事になり、歯並びの発達に役立ちます。
では栄養を補い、よく噛むモノにはどのようなモノがあるのでしょうか?栄養面から考えると乳製品のチーズやヨーグルトなども良いですが、さらに噛むという要素を考慮するなら小魚や、炭水化物を補ういも類、ビタミンや水分を補う果物なども良いでしょう。

もちろんこれが全てではありません。ある程度子供の好みや食事とのバランスを考えながらどんな食べ物が良く噛む食べ物か、日頃から少し気にかけてみる事からはじめてはいかがでしょうか。

歯の着色はなぜおこる!?

DA 平山 幸恵

歯が黄色や茶色になる原因は、大きく分けて2つあります。
1つ目は食べ物、飲み物などによる外側からの着色です。これはカレーやコーヒー、紅茶、ウーロン茶、赤ワインなどに含まれている着色物質が歯の表面に沈着することによって起こり、コーヒーカップや湯飲み茶碗に茶渋がつくのと同じ原理で、ステインと呼ばれています。他にもブルーベリーやコーラ、ブドウなどの色の濃い食材の多くは着色しやすいという特徴があります。時間が経つにつれ、次第に歯の表面のエナメル質の中に染み込み、普通に歯磨きしただけでは落ちにくくなってきます。またご存知の通り、タバコのヤニも着色する原因です。喫煙する習慣のある人は、歯の裏側にステインがつきやすくなります。
もうひとつの原因は内側からの着色です。歯の表面は半透明のエナメル質で覆われ、この内側に象牙質という黄色い層があります。象牙質の色に個人差はありますが、年齢を重ねるに従いだんだん色が濃くなっていき、これにともない歯も変色していきます。他にも歯が変色する原因として挙げられるのが、歯をぶつけることによる外傷やむし歯によって神経が死んでしまったり、むし歯の治療などで神経をとってしまった場合です。このような歯は、ご自身のほかの歯に比べて色が異なってきます。

歯の変色には外側からの着色と、内側からの変色があり、治療方法は原因によって様々です。また当院では歯の漂白も行っていますので興味のある方や歯の色が気になる方はお気軽におっしゃってください。

あとがき

『多歯事』二十三号もお役にたてましたでしょうか。
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、4階予防室の水槽に新しいお魚たちが仲間入りしました。
そちらも是非ご覧になって下さい。
第二十四号は平成二十年十一月八日に発行の予定です。

〈編集委員〉
安田 直正、富樫 裕一郎、 阿竹 幸子、石田 佳子、 林 さとみ

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